大阪・心斎橋八幡筋:おおさか料理 『浅井東迎』
神戸の実家から電話をかけ、今日はとにかく相談に乗って(=泣き言を聞いて!)と呼び出したのは、もう15年のつきあいになる友人であるONI。実は18歳も年上だけど、常に同じ目線で話ができる、親友であって家族であって同士であって、冷静に他人、という貴重な存在。京都から大阪までひょいとやって来てくれるフットワークの軽さは、本当に尊敬です。
難波で待ち合わせをしたら、行き先はONIにおまかせ。ONIが行くところにはうまいものがあると決まっているので、ただただ付いていけばよいのです。
若輩者には敷居の高い引き戸を開くと、若造さんが丁寧に出迎えてくれ、板前さんが威勢良くカウンターへ招いてくれる。品書きは手書きで、旬のものから定番のつまみまでがこれでもかというほどの品数で連なってる。30分遅れでYODA先生も合流し、強欲3人の晩餐です。
目の前の板前さんが、ちょっとハシリ気味の(おそらく値の張るであろう)品をさりげなくおすすめしてくるのをことごとく無視して、食べたいものだけをチョイスする。東京では食べられない“ふつう”のものや、大阪ならではの料理を選ぶ。関西は、大阪と京都と神戸で、食べられるもの(食べるべきもの)が全然違うのだから、ちゃんと吟味しないともったいない。
お酒は飛露喜を2合でスタート。
突き出しは三品。左は卵焼きみたいなの。真ん中は薄焼き玉子でくるんだ五目寿司。右はずいきを梅肉で。
初っぱなから気が利いている。
鯨ベーコン。
正直、鯨ベーコンって馬鹿にしていました。懐かしい世代の人が、懐かしい味として食べるものだろうって。
でも、本当においしい鯨ベーコンって、ぜんぜん違うのね。さすが、鯨食文化が今も生きている街、大阪!!
辛子と醤油と酢みそはお好みで。
あれ?熱燗頼んだっけ?って思ったら、なんとイカそうめんの器でした。
三段重ねになっていて、一番上にはつゆ、二番目には薬味が入っていて、三段目はこんなかんじ。
たっぷりかけてもしょっぱくない、やさしいつゆは、まさに関西の味。
鯨ベーコンがあまりにおいしくて、大阪でしか食べられない『さえずりと青菜』を注文。
『さえずり』って鯨の舌です。これがもう、もっちりしていて、鯨の旨味を思い知れ!という逸品。
大阪に来たら、いい店で鯨を食すべし!これ絶対のアドバイスです。
出汁の利いた餡にこれまた唸らされるわけです。
ゴーヤの薩摩揚げ、こいもの餡かけ、なんだったかのスープ煮、百合根まんじゅう
ああ、やっぱり関西の出汁は最高やなあ。
〆はご飯とシジミの味噌汁。京都ほど甘くない白味噌仕立てのおつゆで、ここちよくおなかいっぱい。
素直に甘えて、ONIにご馳走になりました。
勉強のためにこれでいくら?と尋ねると、1人9000円くらいかな、とのこと。
板前さんからのおすすめ通りに注文したら、こんなもんではすまなかったでしょう・・・。
確かに高級店ですが、行く価値アリです。東京ならこんな金額ではすみますまい。
泣き言もグチも、おいしいものを食べながら、気の置けない友人とシェアすることで、人生の一幕として受け入れられるものなのです。
おおさか料理 『浅井東迎』
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